2022年3月23日水曜日

雪やどり

 

             雪やどり/たかぎなまこ                         
 春のお彼岸が終わろうとしているのに、雪が降るとは!

 淡雪で、積もることもありませんでしたが、私の住む温暖な房総では、とても珍しいことです。冬眠明けの蛙や、満開のサクランボの花が心配です。

 中旬の夏のような気温から、冷え込んだ今週、体調を崩す人や動物が多いと聞きました。  

 暖房や着衣の調節をしても、身体の中心に襲いかかる気圧の変化は免れません。(と、書きながら、にぶい私自身は影響なしなのですが…。)

 そんな夜、停電が発生した地域は本当に大変だったと思います。今は復旧したそうで安心しました。原因が他にあったとのことですが、この先も電力不足は変わらないでしょうから、節電を心掛けなくては!

 ほんの少しずつでも節電することで、寒さに震える地域を減らす可能性があるのですから、今日の寒さにもいろいろ工夫したいと思います。



2022年3月11日金曜日

霧が溶けた海

  

 霧の濃い朝、4キロほど離れた海岸へ行ってきました。太陽が昇っているはずの6時半。海までの道は黒く湿っていて、バックミラーの中で、来た道は霧に埋まっていました。信号の赤色が、立ち込める霧にじんわりにじんで、青に変わった時も紅が残っていそうでした。

 海へ着き、波打ち際へ歩いていくと、どっしり海面を埋めている霧の中空に、太陽がぼんやり現れました。真上に青空が一瞬光って、海はなんとも言えない不思議なミルク色で沈んでいます。あまりに美しくて、私はしばらくぼおっとその景色を観ていました。

 けれど、もし、私の大切な存在が、海に命を飲み込まれてしまったとしたら、こんなふうに霧が溶けた海をきれいだと思えるのだろうか、と考えました。海に、大切なものたちを連れ去られたら、こんなふうにのんきに霧の海を観に来るのだろうか、と思いました。

 自分がそうなっていないので、答えはわかりません。自分の身に今はたまたま降りかかっていないことですが、いつそうなるかはわかりません。

 災害によって突如急変する海。今日、3月11日だけでなく、心にいつも置いておきたいと思います。

追記: この日、海岸で想った物語を小説投稿サイトへあげさせていただきました。

https://novel.daysneo.com/sp/works/7a537026fb53483a3ad7ca774181e910.html