2024年4月15日月曜日

一度は見たい

 
 年老いた母が『一度は見ておきたいから連れて行って欲しい』と言う場所 がいくつかあり、その一つに福島県福島市の花見山公園がありました。
 花木生産者の方が長い年月をかけて花木を植え、一般公開してくれている丘陵。先週初め、福島に行く機会があり、ちょうど花の良い時に桃源郷と言われるその場所を母と散策しました。 
 自然の山などで偶然出会う花は好きですが、 園芸花壇や庭園に咲く花々はそれほど興味がない私。しかし、丸ごと花盛りのその景色にはとても感動しました。 
「どうせ 計画的に 集めて植えたんでしょ?そりゃ色とりどり咲くでしょうよ。」
なんて思う方(それまでの私…。)にはやはり一度は見て欲しい美しい景色でした。 人が植えていても自然に咲いていても美しいものは美しいです。 大切にされていればその気持ちは伝わると思います。
 実は、過去にやはり一度は見ておきたいと母から頼まれて訪れた場所が、北海道富良野市のラベンダー畑。そこでも、どうせちょっと大きな花畑でしょうなんて思っていた私でしたが、やはり感動しました…。一度は見たい風景、まだ増えそうです。

2024年3月31日日曜日

るすばんねこ 88

  

 留守番18日目。3月最後の今日は驚くほどの暖かさで、初夏のようでした。さすがのニャアコちゃんも冬ベッドに入らないかな、と思っていたらすっぽり入り、いつもと同じように丸くなっているのでした。
寒がりなのはわかりますが、もう春ですよ、ニャアコちゃん。
 ニャアコちゃん、こんなふうに横たわると手足が超短い!です。しっぽも丸まっているので、まるでうさぎ?
 うさぎと言えば、今日はキリスト教の復活祭・イースター。多産で知られるうさぎが生命の繁栄シンボルとされているのは以前から聞いていましたが、イースターバニーが良い子にプレゼントを配っていくというドイツの風習は最近知りました。クリスマスのようで楽しみですが、良い子というのが気になります。何をもって良い子の基準にするか…自分がその渦中にいる子だったらドキドキです。 どんな子にも、様々な良い子要素を見つけてもらえますように!
 ニャアコちゃんは、この『手足短か写真』不本意かもしれません。本当はもっと長いにゃ、日本猫として標準にゃと言いたそうでした。しかし、やっぱり短いほうかと思います…。


2024年3月18日月曜日

るすばんねこ 87

 

    今月も、能登半島地震の支援で留守が多いうささん宅。ニャアコちゃんのるすばんは続きます。
 まだまだ寒空の下で迷子になっている動物達の為に、ニャアコちゃんも頑張って応援する日々です。
 冬が終わろうとするこの季節、雪山では雪崩や急な天候変化による遭難事故が起きます。私は単独行の山登りが好きですが、雪山登山はしません。マイ・アルミかんじきも持っていますが、ロープウェー駅やスキーコース周辺を散策する程度でとどめています。
 雪山は美しいけれど、底知れぬ恐ろしさを秘めていて怖いです。暴風雪に立ち往生し、視界を奪われて迷子になってしまったら…一昨年、宮城蔵王の樹氷原を散策した時、そんなことを想像しながら生んだ物語があります。物語サイトへアップしましたのでお暇があったらどうぞ読んでください。https://novel.daysneo.com/works/2c25ba6dbbaaf3162061e560526d1510.html
 
 ニャアコちゃんが留守番するこの部屋の前では、暖冬の今年雪を見ることがなく、水仙の花が散り始めています。
 壊れかけた家屋で過ごさざるを得ない被災者の方たち、雪が積もる野外で迷子になっている動物たちを想い、被災地にも早く春が訪れることを祈ります。

2024年2月29日木曜日

るすばんねこ 86

  

 先月末から2月はまるごとおるすばんが続いていたニャアコちゃん。チームうーにゃんの動物捜索と支援活動で、能登半島地震被災地へ長期滞在していたうささんが、今日1か月ぶりに帰ってきます。
 ニャアコちゃんは面白いことに、お帰りお帰り!と嬉しそうに駈け寄っていく時と、どなたさまでしたかにゃ?と知らんぷりする時と、あれ?最近いなかったかにゃ?と驚き顔の時など、様々なパターンでうささんを迎えます。
 それは日数によってなのか、またはニャアコちゃんにしかわからない事情によるのか分かりません。久しぶりの再会に、ニャアコちゃん今回は果たしてどう出るか!といったところです。
 捜索依頼を受けた方たちの動物がすべて見つかったわけではありません。トレイルカメラにも映らず、痕跡が全く見えない動物もいるとのことで、まだまだ長期で捜索は続くと思います。家の中しか知らない、しかも他所から帰省中に被災して迷子になった猫たちは、過酷な野良生活をしているでしょう。どうか一日でも早く皆さんの大切な家族が見つかりますよう、老犬たちと留守番する私も、ニャアコちゃんと一緒に祈っています。

2024年2月9日金曜日

お願い参り

 

 先週、久しぶりに好きなお寺へ行きました。普段から信心深い行いもせず、自分の好きな時に神仏の種類関係なく祈る私ですが、好きな寺社へ訪れると心が落ち着きます。
 その寺は、ご本尊の仏像だけでなく本堂と周囲の森、参道もすべて気に入っている、千葉県睦沢町にある妙楽寺というところです。先週は年に一度の御開帳がある日でした。
 普段は格子越しにお顔を見る大日如来さまと毘沙門天・不動明王さまたちが、間近に見られる日なのでした。私がこのお寺を知ったのは15年ほど前なのですが、格子柵が取り払われる御開帳日に訪れることができたのは今年が初めてです。
 堂内の畳にしばらく座り、いつもと違うお顔にも見える仏様たちに祈ってきました。
 いつも変わらぬ願い事が一つあるのですが、今回は、能登半島地震でつらい思いをされている命が少しでも減ることも祈らせてもらいました。チームうーにゃんメンバーが引き続き捜索している小さな命たちも、どうか早く見つかって家族の元に帰れますように。

2024年1月31日水曜日

るすばんねこ 85

 


 能登半島地震被災地支援や他地域の動物保護活動でほぼ留守続きのうささん宅。かまってもらえる時間が確実に減っているニャアコちゃんは、少々不満です。

 一昨日から再び石川県輪島市へ入って活動しているチームうーにゃん。現地のうささんから連絡があり、今日、新たに一匹の猫が保護されました。行方不明の猫を探しに来られたご家族の皆さんが協力し、無事保護された話を聞き、嬉しくなりました。

 チームうーにゃんに入ってくる捜索依頼メールを読んでいると、ご家族の思いが胸に迫ります。一年で一番寒い時期、地震発生から一か月が経過しようとしている現在、行方不明の家族を探す方たちの不安はふくらみます。そんな中の今日の保護は、未だ探している他の方たちへ大きな希望になったのでは、と思いました。
 私は現地へ赴かず、ニャアコちゃんや老犬たちとお留守番隊。依頼メールのデータを見やすいようにpcで整えながら、彼らが一日でも早く保護されるのを祈る日々です。テーブル下の膝の中で丸くなる、丸い顔のニャアコちゃんも、きっと同じ気持ちでしょう。
「みんなが早くおうちに帰れて、うささんも早くここへ帰れるといいにゃ…。」
といった気持ちかもしれません。 1月は たった4日しかうささんと触れ合えず、 引き続き 2月に向けてお留守番中です。

2024年1月10日水曜日

るすばんねこ 84

  
 2024年は元旦から大変な災害で始まってしまいました。今現在もつらい思いをされている被災者の方たち、どうか頑張ってほしいと願っています。
熊本地震から発足したチームうーにゃん。今回の石川地震の動物レスキューへ、代表のうささんとメンバー星さんの2人が地震発生翌日から伺いました。倒壊家屋から助け出した犬や、無事見つかった迷子猫など、活動に伺ってよかった嬉しい話をたくさん聞きました。
 けれど、悲しい話も聞きました。倒壊しそうな家屋の寒い玄関先へ置き去られたその猫は、避難する人々と一緒に連れて行ってもらえず、重い持病をかかえたまま命を落としました。
 すべての避難所が動物禁止ではなく、動物を連れて行っても良い避難所もあるのです。その猫は自分の家族の「もう家も壊れたし、この先一緒に暮らすのは無理」という言葉を聞いた後、保護先で時を経ずに亡くなったそうです。
 余裕がないから、家族であるペットを置いて行けるものなのでしょうか。それとも、その方たちにとっては、元から家族ではなかったのでしょうか。悲しい話です。
 そんな話を聞いて深刻な顔だった私を、ニャアコちゃんが見上げていました。私の体から、もしかしたら悲しみより憤りの黒い煙が出ていたのかもしれません。人間には見えない、感情の色。動物には見えそうです。
安心してね、うささんが不在のるすばん中、災害がきても絶対離れず守るから、と約束をしました。