2013年10月12日土曜日

ヒトひとりの力



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(サースフェー・氷河)
 スイスのサースフェーで、かなしい事故があったことを聞きました。
先月行方不明となっていた日本人男性が、氷河で亡くなっていたとのことでした。

私も8月のスイス旅行で、フェー氷河を間近に見ています。
ロープウェーのシュピールボーデン駅から氷河に沿って登山道をたどると、
氷河にもっと近づいて、触れてみたくなりました。
そして途中、ここを降りたら氷河に接触できるのでは?という小道を見つけたのです。
降りようとすると、同行していた友人に止められました。
「あの地面に見える場所の下に、亀裂が無いってわかるの?」
そう言われてみれば、私の力ではそんなことわかるはずもありません。
小道に見えたのは水が流れた跡なのかもしれない…それに、しんとした世界の中で
時折ピシッザザン…という何かが崩れる音が響いていました。
 
  私は、つい、自分の力がどれだけ小さいかを棚に上げてしまい、
「あそこまで行って見たい!」と思う気持ちで進んでしまうことがあります。


ヒトが、何の道具も持たず体一つである時、その運動能力は本当に小さくて無力に等しいと頭ではわかっているのですが、目の前にすごい景色があると忘れてしまうのでした。
過去に何度も、海でシュノーケリング中沖に行き過ぎたり、山で疲れきって青ざめた経験をしているのに…反省があまりに足りないのです。


自分は友人に止めてもらったからこうして無事にいるけど、事故はいつでも起きる可能性があるのを思い知りました。本当に、この先気をつけようと心に決めました。
美しい自然の中にかなしみが刻まれないよう、祈ります。




2013年10月3日木曜日

震災で消えた小さな命展・・・24



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(お迎えでだっこされたYちゃん)
岩手県宮古市で、直接絵を渡せたのが嬉しかったので、もうお一人の方にもお会いしたいなと思い、宮城県石巻市のお渡し会場へおじゃまして来ました。
 お渡し時間の一番乗りで来てくださったAさんご夫妻は、マルチーズのYちゃんのかわいい写真をカバンから出して見せてくれました。
ご夫妻に抱っこされたYちゃんが、今までと違った表情で嬉しそうに見えました。私も、本当に嬉しかったです。

 
 小さな命展パート1の時私は、様々な事情で絵のお渡しに参加できなかったので、パート2の二箇所で参加出来て本当に良かったと思いました。
自分が描かせていただいた小さな命だけでなく、たくさんの命たちが飼い主さんに迎えられて帰っていく姿に立ち合わせていただきました。
動物たちの表情が、そわそわしていたり、得意そうだったりと変化することも実感しました。
『絵』という物なのですが、物ではなくて本当に魂がこもっているから、そんなふうに感じられるのですね。

 
 石巻にもうかがえて、本当に良かったです。夜行バスの旅で、石巻市のどこも歩く時間もなかったのですが、大きな思い出になりました。