2022年11月30日水曜日

ある人の物語

 
       (飯岡・屏風浦の海)
 1年前、 ある人・Kさんをモデルに物語を書きました。物語の舞台は、本来Kさんが過ごされた九州地方と異なり、千葉県旭市・飯岡の海です。
 歌を生業にされ、波乱万丈な人生を美しい歌声と共に送られた方でした。
 大切なご家族と悲しい別れをされた時には、Kさんの心から歌声が消えてしまったそうです。
 けれど、つらい悲しみを乗り越え、災害で被災された方々へ励ましの歌声を届けてくれたのでした。 
 私は直接Kさんとお会いしたことがありませんが、一緒に活動をしているうささんのお知り合いだったので、Kさんの話や歌声はたくさん聞かせていただきました。音楽プレイヤーへ入れて、 心の奥底へ届く素敵な歌声を何度も聞いていました。  
 コロナの影響でなかなか叶わないけど、いつかコンサートを開催するようになったら、是非生で歌声を聞かせていただきたい… コンサートやライブがあまり好きでない私がそう思った、数少ない 方でした。
 ところがKさんは、師走に入ったばかりの夜、突然不慮の事故で亡くなってしまったのです。 風のように消えてしまいました。
 本当に残念で、悲しく思います。Kさんに捧げた物語を、1年が経つ今週、投稿することにしました。もしお時間があったらどうぞお読み下さい。https://novel.daysneo.com/sp/works/260224887283be220e82d2744993b2f3.html

2022年11月16日水曜日

心で味わう

  


 写真の菊は、最近植えた鑑賞用の洋菊ですが、我が家では、菊の花を食する習慣があります。菊を食べる習慣があまり一般的ではないのは知っていましたが、最近調べてみたら、北陸や東北の部分的な地域らしいとのことでした。

 老母は福島と新潟の県境に近い豪雪地出身で、菊は、故郷と亡き祖母の思い出を含んだ郷土の味。 紫や黄色の花びらを酢の物にして、毎秋食しています。母は舌で味わうと同時に、心で味わっているように思えます。

 今年も、食卓に二色のおひたしが出てきました。私は「なぜ菊の花なんて食べるのよ!?」と驚愕した時期がありましたが、今はすっかり秋の味として体に染みつき、しかも独特の苦味と香りが好みとなっています。

 いつの日か、私も母を思い出して自分で菊のおひたしを作りたくなるのだろうか…と思いつつ、今は有り難く頂いています。母と、菊の花たちに感謝して。