2025年3月15日土曜日

花びらの染み

  

 東日本大震災が起こった3月の初旬は、暖地のこちらは写真のように早咲き桜や菜の花が満開で、春と冬が入れ替わりつつある時期でした。東北地方は桜どころかまだ冬の装いで、寒さに凍える日々だったでしょう。
 毎年震災で消えた命を想いながら、桜を見ると思い出すことがあります。災害で消えた小さな命展の申し込み受付をしていた時、ある被災者の方からのお手紙の中に書いてあった一文です。
 「…桜の花が咲いているのを見ても、その花びら一つ一つに茶色いしみがついているようで美しさを感じられず…。」そういった内容でした。
 大津波が、大切な命や大地を泥の海にして押し流していくのを、目の当たりにしてしまった被災者の方達。心に染みついた傷が花びらに映っていたのかもしれません。想像しても足りない悲しみの染み。毎年、薄らいでくれますよう祈るしかできません。


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