2014年11月12日水曜日

遠い国からのプレゼント



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8月にお会いしたオーストリアの出版社の方から、素敵なプレゼントをいただきました。
「ふわふわいいな/絵・うさ 文・たかぎなまこ」の韓国版が出版され、ハングル文字の絵本が入っていました。
それだけでなく、心のこもったお手紙と、今まで食べたことのないほど美味しいチョコレート、そして上の写真の木の実と、紅い押し葉も同封されていました。

 日本語で「セイヨウトチノキ」フランス語ではマロニエと呼ばれる、
日本の山地で大木をみかける栃の木です。
日本のトチは葉が黄色くなりますが、セイヨウトチは赤くなるのでしょうか。

 栃の実は、かなり手間をかけてあく抜きしないと人間は食べられません。ヨーロッパでは「動物たちが食べる栗」と言われていて、飾りなどにも使われるようです。
 しかし、日本では栃餅・栃の実せんべいなどになっていて、私も過去に何度かいただきました。福島生まれの母は、幼い頃に栃餅がご馳走だったとききました。
 
 その実を贈ってくださった方の気持ちが、実が入った箱の中からあふれ出てきたのを感じました。大切そうに、やわらかな紙にくるまれた押し葉からも。
「夏に私の町を案内した時、美しい大樹を紹介したでしょう?あの樹たちが秋になってこんなつやつやしたきれいな実をつけたのよ。」
贈り主の優しい声が聞こえる気がしました。
 
夏に散歩をご一緒させていただいた、オーストリア・クレムスの丘を思い出し、今はトチの樹の大きな葉がパサっと落ちてくるのを想像しました。
短くなる陽が、あっという間に冬を連れてくるのだろうなと思うと、あの時聞いた教会の鐘の音とともに、静かでせつない気持ちになります。





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