2018年9月17日月曜日

るすばんねこ 43

 およそ4週間のお留守番、半分ほど過ぎました。ニャアコちゃん、指の間を広げながら、手足ストレッチ中です。涼しくなったので、食欲も旺盛でちょっとふっくらしてきました。
 9月に入って今まで、災害のことを考えない日はありませんでした。4日の台風21号、6日の北海道東部地震。テレビを見ない私でも、スマートフォンには災害情報とニュース速報が入ってきます。眠っている時間に起きた大惨事。突如断絶された日常。想像できない悲しみです。
 地震の状況を報せる記事が入ってくる中、私は胸がいたくなる記述を見つけてしまいました。9月8日に起きた千葉市内でのトレーラー横転事故。ただ信号待ちをしていただけの軽自動車がつぶされ、乗っていた3人の方が亡くなったのでした。トレーラーが、違法の過積載をしていたことが原因です。
 海外旅行に出るたびに、航空機内やその先の国で、どこに危険があるかわからないな…と覚悟することがあります。けれど、日常生活で車を運転し、信号待ちをする時にそんな覚悟をしたことはありません。私だけでなく皆さんそうかと思います。
 地震などの天災と同じく、こうした突然ふりかかる災難で、突如命を断たれたとしたら…。しかも、その原因が無責任な人間のいい加減な行動であったら…虚しさがこみあげました。
地震のニュースとともに、胸に深くささっている事故のニュースでした。
 私の住むこの町にも、そして近所に歩いて買い物に行く途中にも、何が起こるかわからない毎日。ひと時ひと時を大切に生きていかなくては、とつくづく思います。

2018年9月1日土曜日

ラップランド


走るトナカイ(Unna Allakas 付近で)
スウェーデンのキルナとアビスコを拠点に、いくつかの山を歩いて来ました。旅の間たくさんのトナカイとあい、写真に収めましたが、エネルギッシュに走り抜ける若者を一枚選びました!
 人気のある「王様の散歩道」というコースから少し外れた地域への、静かな山歩き。
氷河がゆっくり穿った広い谷は、谷というより広大な平原で、穏やかな山陵に囲まれています。
素晴らしく雄大な風景に、毎日感動しっぱなしでした。
 今回どうしても行きたかった場所の一つ、Unna Allakas (ウンナアルカス)。
山小屋に泊まった朝、散歩して一時間も歩いて行くと、そこにある美しい湖はスウェーデンではなく、国境を越えたノルウェーでした。行きはうっかり気づかず通りすぎた国境。帰りに見つけました。黄色くペイントされた石が積まれた塔がポツンとあるだけ。
ちょうど、私と距離を置いて歩いているトナカイたちがトコトコとノルウェーからスウェーデンへ入ったところでした。
 草木も土も、動物も関係ない、人間だけの目印。線を引かずにいられない人間のための境目。
高い塀や鉄条網、武装せざるを得ない国境が世界中にあるのが現実ですが、あんなふうなポツンとある目印っていいな、と私は思いました。
 今年も、また訪れたいと思う美しい景色に出逢わせていただいたこと、感謝です。
そして、トコトコ歩いて見落としてしまうような国境を、旅することができる自分の境遇も感謝です。