2018年9月1日土曜日

ラップランド


走るトナカイ(Unna Allakas 付近で)
スウェーデンのキルナとアビスコを拠点に、いくつかの山を歩いて来ました。旅の間たくさんのトナカイとあい、写真に収めましたが、エネルギッシュに走り抜ける若者を一枚選びました!
 人気のある「王様の散歩道」というコースから少し外れた地域への、静かな山歩き。
氷河がゆっくり穿った広い谷は、谷というより広大な平原で、穏やかな山陵に囲まれています。
素晴らしく雄大な風景に、毎日感動しっぱなしでした。
 今回どうしても行きたかった場所の一つ、Unna Allakas (ウンナアルカス)。
山小屋に泊まった朝、散歩して一時間も歩いて行くと、そこにある美しい湖はスウェーデンではなく、国境を越えたノルウェーでした。行きはうっかり気づかず通りすぎた国境。帰りに見つけました。黄色くペイントされた石が積まれた塔がポツンとあるだけ。
ちょうど、私と距離を置いて歩いているトナカイたちがトコトコとノルウェーからスウェーデンへ入ったところでした。
 草木も土も、動物も関係ない、人間だけの目印。線を引かずにいられない人間のための境目。
高い塀や鉄条網、武装せざるを得ない国境が世界中にあるのが現実ですが、あんなふうなポツンとある目印っていいな、と私は思いました。
 今年も、また訪れたいと思う美しい景色に出逢わせていただいたこと、感謝です。
そして、トコトコ歩いて見落としてしまうような国境を、旅することができる自分の境遇も感謝です。

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