2022年11月16日水曜日

心で味わう

  


 写真の菊は、最近植えた鑑賞用の洋菊ですが、我が家では、菊の花を食する習慣があります。菊を食べる習慣があまり一般的ではないのは知っていましたが、最近調べてみたら、北陸や東北の部分的な地域らしいとのことでした。

 老母は福島と新潟の県境に近い豪雪地出身で、菊は、故郷と亡き祖母の思い出を含んだ郷土の味。 紫や黄色の花びらを酢の物にして、毎秋食しています。母は舌で味わうと同時に、心で味わっているように思えます。

 今年も、食卓に二色のおひたしが出てきました。私は「なぜ菊の花なんて食べるのよ!?」と驚愕した時期がありましたが、今はすっかり秋の味として体に染みつき、しかも独特の苦味と香りが好みとなっています。

 いつの日か、私も母を思い出して自分で菊のおひたしを作りたくなるのだろうか…と思いつつ、今は有り難く頂いています。母と、菊の花たちに感謝して。

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