2015年10月31日土曜日

ふせがき

(秋の日の贈りもの 絵・うさ より)
秋に実る柿の実をすべてとらずに少し残しておき、冬の間食料に困るであろう鳥や動物にあげる習慣があるそうです。それを、布施する柿『ふせがき』というと、ずいぶん昔に知りました。
 そこから思いついた小さな物語に、うささんが絵をつけてくれて、今年FM愛知の小冊子・エコメンド内に載せていただきました。山の熊たちの食べ物が乏しい、ある年の秋の話です。
 上の絵は最終場面。山と村の境目にある柿の木に、吊るし柿がたくさんぶら下がっていて、たくさん食べてねとメッセージが下がっています。
 びっくりして感激しているのは、人間によって母熊を失った子ども熊。熊たちのために柿を枝に吊るそうと思いついたのは、村に住む小さな人間の子です。
 
 熊が人里に出て捕獲されるニュースを毎年聞くたび、胸が痛みました。
人里に来させないために、食べられる農作物などを畑や野に残してはいけない、という意見も聞きます。でも、熊たちに、山と村の境界で食物を提供する「熊の畑」という活動をされている方たちもいるそうなのです。
 
 私の物語は現実的じゃないかもしれませんが、ふせがきという言葉と、その心はずっと消えずにいてほしいと思います。

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