2012年10月3日水曜日

震災で消えた小さな命展…15



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(釜石での展示風景)
岩手沿岸部での展示が釜石で9月28日から始まり、
現在は、大槌町シーサイドタウン・マストで行われています。
たくさんの方が観に来られていると聞き、嬉しく思います。
開催に携わって下さる方たちに、いつもながら感謝しています。


今回出させていただいた、もう一つの作品が、
かわいらしい顔の茶トラ猫のKちゃんと、ミドリガメ(アカミミガメ)の
Wちゃんです。
依頼された方は大槌町にお住まいなのに、早く観たいからというお気持ちで
釜石まで来て下さったそうです。その気持ちに応えられたかどうか、
自信がない私ですが、絵に込めた気持ちは伝わったかと信じています。

 
 一緒に暮らしたことはありませんが、私は亀が好きです。
ダイビングやシュノーケリングをしていて海亀と出会えた時には、
本当に幸せな気分でした。
 どちらかというと、甲羅が丸く盛り上がったリクガメのほうが好きで、
ヨーロッパ旅行をしているときに野良リクガメ?に会えたのも
忘れられない嬉しい思い出です。

 
 でも一番最近出会った亀はWちゃんと同じ、アカミミガメです。
この夏、近所の農道を自転車で走っている時、用水路のそばで会ったのです。
 猛烈に暑い日でした。
自転車に乗っている私にも、ジリジリと暑さの伝わるアスファルトの上を、
その亀は一生懸命歩いていました。猛暑で枯れてしまった水路を脱出し、
水のある場所を探しているようでした。
(無事に水場へたどり着けるのだろうか。)
自転車で田んぼの中の一本道を走っていると、悲しい交通事故にあって
命を落としている亀や蛙を多く目にするのでした。
 農道のはるか向こうからトラックがやってくるのを見て、
思わず私は亀をつかみ、その先の水路土手へ置きました。
あの亀がその水路へ行きたかったかどうか、私にはわかりません。 
もしかしたら、余計なお世話だったのかもしれません。
 
 秋になり、ようやく雨も多くなった現在、あの亀が無事に水路を泳いでいてくれる
ことを祈ります。今は、水路のそばに彼岸花が赤く連なっています。




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