2021年1月15日金曜日

ホースの飴

 

 寒い朝。外水道のホースをつないだ蛇口をひねったら、ニョキニョキとホース内の氷が出てきました。

 透明の千歳飴みたいな氷は、弱い冬の陽を含んでやわらかそうです。

 そのまま地面に返すのがもったいなくて、一度鉢に集め、写真を撮りました。

 昔、初めてツララを手に入れた時、どうにかとっておけないか考えたことを思い出します。 

 ホースの飴、その頃の幼い自分だったらペロペロなめてしまうんだろうなーと思いつつ、さすがに今の私はなめずに、乾いた土の上に置いてきました。

2021年1月2日土曜日

星のあめ

 

              星のあめ/たかぎなまこ

 白い牛のお腹で雨宿りしているのは、昨年天にいってしまったリモさん。リモさんは、底抜けに明るく愛想が良いイタリア紳士でした。女の子だけではなく、男友達にも、猫にもヒトにも優しかったのです。 そんな性格の良いリモさんは 、飼育放棄され、ボロボロの褐色の毛布のような状態で発見され施設に送られた、悲しい過去がありました。色々な苦難を乗り越え、やっと幸せな生活を手に入れた 時、重大な病気に身体を持って行かれてしまいました。

 誰にでも優しかったリモさん。優しく雨宿りさせてくれる白い牛の下で、ゆったりしてほしいと思います。甘い飴かもしれない、星のあめをなめながら。

2020年12月21日月曜日

るすばんねこ 61

 

 お留守番16日目のニャアコちゃん。すっかり冬支度のハウスでぬくぬくです。
 今日は冬至なので、ニャアコちゃんのお隣部屋のワンコ達は、おやつにカボチャスープを少しあげました。もちろんニャアコちゃんは、いらニャイとお断りでした。
 以前、冬至の夜のお話を創ったことがあります。 山歩きをしていて、幹が空洞になって朽ちようとしている老木を見つけたとき、思いついたお話。 老木の真上の空に輝く月の光が、幹の空洞にさしこみ、その下にいる動物たちが月光を浴び、エネルギーをもらう話でした。冬至の夜、森の中で起きるマジックです。
 夜が長い冬至ですから、 月もたくさん光を振りまいてくれる気がしました。本当に、そんな風に野山の生き物がエネルギーを充填してくれたらいいなと思います。
 ニャアコちゃんはかぼちゃスープを断り、チュールでエネルギーを充填しました。 あと3日間、お留守番がんばりましょう!

2020年12月4日金曜日

落とし物

 

 つい最近、老母から譲り受けた2つの「指貫(ゆびぬき)」。何十年経つか定かじゃない年期が入っています。

 カップ型の指貫、見えない方向から針を刺し上げたり、硬い生地を縫う時とても助かるのでした。老母の中指は、第一関節がふくらみ、2つとも入らなくなったのだとか…。そんなわけで、私の裁縫セットに付属していた、自在に広がるタイプの指貫と、物々交換しました。

 便利なカップ型指貫。実は、私は、去年購入してすぐ、どこかに落としてしまったのです。旅先の北イタリアで蚤の市があり、そこで大きめのすっぽりかぶる指貫を買ったのに、なくしてしまい…。ノヴァーラというミラノ郊外の町でした。あんまり残念で、それ以来買わずにいたのですが、こうして手に入ったので、再会した気分です。

 私が落とした指貫が、小さな小さなダレカの、寒さをしのぐ家になっていたら嬉しいです。


2020年11月23日月曜日

命の泡


 先週、風の強い日に一時間半ほど離れた銚子市の海岸線に行きました。何度か行ったことのある犬岩へ、買い替えたばかりの新車に慣れるためのドライブ。その時、冬の日本海の映像のような「波の花 」が空中を浮遊しているのを目撃しました。

 暖かい外房の海岸で、その日の気温は 20°近くあったのに、厳冬の日本海で起きる現象をみるのは不思議な気がしました。でも、調べてみたら、暖かい日や温暖な土地でも波の花は発生するようですね。

 濃厚なカプチーノホイップのような泡の正体は、海水中のプランクトン、海藻などの有機物質が撹拌されたもの。たくさんの、海の命の泡です。

 強風に乗ってぶわーっと吹き上がる泡たちが、岩に貼り付き、雪景色のようでした。陸で土に還った彼らは、雨水で再び海へ戻って行くのでしょうか。またいつか、生まれ変われますように。

2020年11月3日火曜日

るすばんねこ 60

 

 1日だけのおるすばんでしたが、深夜までだったので、目がランランとして、活発にいたずらしていたニャアコちゃんです。
 猫は箱や袋の中に入るのが大好きですが、犬はどうなのかな?と思って聞いたら、やはり好きなようですね!
 私が接する高齢犬達は、視力がなかったり、あちこち不自由だったりするので、そのような 遊びをしたいかどうか、わかりませんでしたが…。猫も犬も、そして人間の子どもも、 狭い場所に潜り込むのが好きな確率が高いようです。 
 私も子どもの頃、大きなダンボール箱を野外へ持ち出し、秘密基地と称して友人と遊んだ楽しい思い出があります。狭い箱の中で背中を丸め、おやつを食べたり、マンガを持ってきて交換したり。今の子どもたちも大人に侵入されないそんなスペースが好きなのに、残念ながら現在は、コロナウィルスのせいで、禁止ですね…。  
 ニャアコちゃんは、本来リサイクル古紙を集めておくための袋がちょうど空っぽだったので、ラッキーという様子でした。しばらく、狭い場所の楽しさを満喫していました。

2020年10月8日木曜日

護る花


 
 先日訪れた植物公園で、黄色い彼岸花を発見!正しくは鍾馗水仙という名前だそうです。一面に咲いた紅白の彼岸花達と離れた場所で、ひっそり数少なく咲いていました。
 このお花、日本でも南の地域には自生しているそうですが、私は日本の野山で見たことがありません。20年近く前、中国の桂林という場所で初めて会いました。石灰岩の巨大な塔や丘がそびえる有名な景勝地です。岩肌にぶら下がるようにしてオレンジ色のこの花が咲き乱れているのを見つけ、感動しました。近くにいた人にあの花の名前を教えて、と紙に書いてもらい、帰国後に調べたのですが、全くわからず…。
 書いてもらったのは、手へんに戸という漢字に岩、そして花という3文字でした。手へんに戸は護という字の中国の簡体字。岩を護る花なのか、岩に護られる花なのか、どちらかわからないのですが…巨岩に護られつつ咲いていたのか、道教の神様である鍾馗様の名前がかぶっているので、反対に力強く護ってくれそうな気もします。
 どちらにしてもとても美しく、好きな花の一つです。