2025年9月16日火曜日

ナニイロ?


 先週、友人が撮影してくれた皆既月食。
何度か調べているはずの「なぜ月が赤く見えるのか!」について再び考えました。
 地球の大気中を通過する太陽光。波長の短い色は大気中の粒子に反射して散乱して波長の長い赤色が多く残ります。地球の影に入っている月へ屈折して届く時には赤く見えているそうです。
 朝焼けや夕焼けが赤く見える事や、昼の空が青く見えるのも同じ「レイリー散乱」という原理だと何度も読んで知っているはずですが、なかなかおぼえられない…と言うより、ぴたりと納得できないのでした。
 そういえば以前から、色覚異常と言われる人々が本当に異常なのか、単なる多数決で大勢が正常とされているだけじゃないのかと疑問に思っていました。違う生物はもちろん、人間という同じ生物の中でも、色の見え方や感じ方が異なるはずです。「あれ、〇色だよね?」「ええ!△色でしょ!」という小さな差異なら多々あるでしょうし、かなり大きく異なる人も身の周りにいるのです。勝手な想像ですが、視覚に限らず、すべて生物の感覚器官は個々の精神・感情で支配されているのかと思うのです。
 大気中に散乱した赤色以外の光を拾って可視化することが出来る人には、赤い月でなく違う色に映っているかもしれません。
 動物達、虫達の心を通して見える月の色は、ナニイロなんだろう!いろいろ想像がふくらみます。

2025年8月31日日曜日

6年ぶり


チーメビアンケ湖とチェルビーノ
(マッターホルン)
 この夏。6年ぶりにイタリアの山岳地帯に行ってきました。コロナが猛威を振るった2019年秋から冬。北イタリア地域は世界の中でもひどい被害を受け、死亡者が多数出ていたニュースに胸を傷めていました。 
 そんな北イタリアを久しぶりに訪れ、大好きな山を歩いてきました。6年前に訪れた場所も何箇所か行きました。6年ぶりでしたが、イタリアはそんなに変わっていませんでした。 鉄道チケットの刻印が必要なくなったとか、サマータイム制度が廃止されたりはありましたが、相変わらずおおらな国です。
  路線バスはほぼ遅れますし、都市間の高速長距離バスも出発時刻にバスが現れるのですから、みんなが荷物を積み込みチケットチェックしているうちに、当然発車は 定刻から15分以上遅れます。そんなのんきな国に久しぶりに行き、日本ではイライラするような事も、まあいいかと思える旅をしてきました。
 ピンチやハプニングもありましたが、見知らぬ土地の風を心に吹き入れる事は私にはとても幸せで大切な事で、それをさせてくれる家族や友人たちの存在に本当に感謝しなくてはと思います。
 そして、6年前と同じようにこの世で歩いていられる、自分の健康な心身にも感謝したいです。

2025年8月16日土曜日

空渡るナニカ

 

 昨日はお盆の中日でした。仏壇もない我が家では、遺影代わりのスナップ写真前へお菓子や果物をお供えしています。

 飛行機雲が横切る酷暑の青空。ぼやぼやとした光の波が見えました。透明のさざ波のような群れは、空の果てへゆっくり遠ざかります。

 目の錯覚か、現世に降りてきた魂なのか、又は空宙を自在に駆けめぐる未確認生命体なのか…。

 だいぶ前に書いた物語ですが、思い出しまして投稿させていただきました。お暇な時にどうぞお読みください。

https://novel.daysneo.com/works/68985ca2a41227da2e90e1881aa3887b.html


2025年7月31日木曜日

旅魚


 先日、旧友に会いがてら訪れた、真鶴町の番場浦海岸。元神奈川県民の私は、三ツ石で有名な真鶴半島へ数えきれないほど訪問しているのですが、磯遊びでなくザブザブ泳ぐのは初。るり色が鮮やかなスズメダイの群れから大きな鯛(だと思う?)まで、たくさんの魚影に感動しました…。
 写真のチョウチョウウオは、死滅回遊魚という悲しい名がついた熱帯魚です。暖流にのって南国からたどり着いたのに、冬の低水温に耐えられず命を落としてしまうそうです。
 そんな魚達の存在を初めて知った時、あまりにかわいそうで心が沈んでしまいましたが、なんと近年は越冬できる事例もあるのだとか!真冬に蚊を見かけた昨冬を思うとうなづけます。 
 熱帯の魚が温帯域で越冬可能になり繁殖するということは、生態学的に問題視されているそうですが、私は、その哀れな運命が救われて嬉しい気分です。
 そして、死滅回遊魚に季節来遊漁というのどかな別名があることを最近知りました。大変な長旅をしてやってくる小さな魚たちが、浸食者として悪者扱いされず、地の魚たちと上手く住み分けして過ごせたらいいなと思います。

2025年7月15日火曜日

雨宿り

 

 過ぎ去った台風5号と低気圧による大雨が激しかった今日の早朝。そこで羽化したのか、偶然休んでいたのかわかりませんが、玄関前でアゲハ蝶の雨宿りを見かけました。脅かさないようそっと 写真を撮らせていただきました。
 ある友人が、私に教えてくれた大切な思い出話があります。 雨が激しく降り始めた庭先。 慌てふためいて飛びまわる蝶々を、幼い友人が虫取り網で捕まえ、部屋に放しました。 雨宿りを させてあげたかったからです。それを見つけた友人の母親は、とがめることなく賛同してくれたのでした。
 その話は、私の心に不思議な色彩とあたたかさを刻みました。

  ひと時の雨宿り。 室内でひらひら舞う蝶々たち。 優しさと美しさが立ち込めたその部屋。
 まるで自分の大切な思い出のように、忘れられない1コマの 映像でスタンプされています。

2025年6月30日月曜日

自分ランキング

  

 最近耳にして疑問に思った言葉、日本三大◯◯。 どうやって決めてるのでしょうね。 アンケート調査で多くの人に好まれているランキングなのでしょうか。 日本三大◯◯を検索してみましたら、ずらりと様々ありました。温泉や寺院等の名所、そばやうどん、まんじゅうまで…。
 私が大好きな鍾乳洞。日本三大洞として、山口県·秋芳洞、高知県·龍河洞、岩手県·龍泉洞が載っていました。(ちなみに、6大洞窟まで訪問済み)
 全部素晴らしい洞窟ですが、写真はランク外の岩手県·滝観洞(ろうかんどう)です。先日の岩手訪問時、Sさんと歩いてきました。
  初めて そこを訪れたのは 2015年の春。東日本大震災以降、すぐ近くの白蓮洞は閉鎖されてしまいましたが、滝観洞は健在です。
 前回訪れた時は現在の様な素敵なインフォメーションとカフェは無く、寂しげな小屋に、貸し出し用ヘルメットと長靴が並んでいました。往復40分~1時間ほどの道のりを、誰1人会うこと無く歩いてきました。
 最終折り返し地点の豪快な滝は白い光で、LEDの鮮やかな色彩もありませんでした。いろいろ異なる点はありましたが、とてつもなく素晴らしい印象は今回も変わりありません。
 海外も含め様々な鍾乳洞を訪問していますが、自分ランキングではかなり上位の洞穴です!

2025年6月16日月曜日

海辺の町へ

  
 週末は久しぶりの岩手への旅。三陸·宮古市に住む友人Sさんと、その愛犬ハロン君に会いに来たのです。
 大好きな電車·山田線の車窓や、Sさん宅の宮古市田老の道沿いでは、鹿達に何度も会えてとても嬉しかったです。
 写真のようにとてものんびり出現する鹿。大興奮なのは私だけで、Sさん毎日当たり前のようにお会い出きるそうです。(うらやましい…。)
 釜石市にも出かけ、『災害で消えた小さな命展』のお手伝い以来、10年ぶりにその沿岸を通りました。かさ上げ工事で重機が忙しく動いていた場所に、新しい家々や店舗が並んでいました。
 14年経ち、被災地と言う呼び方がふさわしくなくなってもふと思うのは、Sさんも含め、今お元気にいてくれてる方達は、14年前にそれまでの人生の思い出を濁流に奪われているという事実です。 
 被害がひどかった釜石市の鵜住居地区でかわいらしいアイスクリームショップに立ち寄りました。悲しい過去がうそのような明るいその場所で、悲しみを経験していない私は、忘れず心に置きつづけようと思いました。