(サースフェー・氷河)
スイスのサースフェーで、かなしい事故があったことを聞きました。
先月行方不明となっていた日本人男性が、氷河で亡くなっていたとのことでした。
私も8月のスイス旅行で、フェー氷河を間近に見ています。
ロープウェーのシュピールボーデン駅から氷河に沿って登山道をたどると、
氷河にもっと近づいて、触れてみたくなりました。
そして途中、ここを降りたら氷河に接触できるのでは?という小道を見つけたのです。
降りようとすると、同行していた友人に止められました。
「あの地面に見える場所の下に、亀裂が無いってわかるの?」
そう言われてみれば、私の力ではそんなことわかるはずもありません。
小道に見えたのは水が流れた跡なのかもしれない…それに、しんとした世界の中で
時折ピシッザザン…という何かが崩れる音が響いていました。
私は、つい、自分の力がどれだけ小さいかを棚に上げてしまい、
「あそこまで行って見たい!」と思う気持ちで進んでしまうことがあります。
ヒトが、何の道具も持たず体一つである時、その運動能力は本当に小さくて無力に等しいと頭ではわかっているのですが、目の前にすごい景色があると忘れてしまうのでした。
過去に何度も、海でシュノーケリング中沖に行き過ぎたり、山で疲れきって青ざめた経験をしているのに…反省があまりに足りないのです。
自分は友人に止めてもらったからこうして無事にいるけど、事故はいつでも起きる可能性があるのを思い知りました。本当に、この先気をつけようと心に決めました。
美しい自然の中にかなしみが刻まれないよう、祈ります。