先日、那須の山で面白い樹とあいました。
かなりお年寄りのミズナラさんです。ふくよかな耳を森に向けていました。
裏側にまわると幹に大きな洞があいていて、もうすぐ朽ちてしまうのかと思いきや、
上方には新しい枝を張り出そうとしています。
このような樹とあうと、いろいろな物語が浮かびます。
林の向こうにそびえる那須連山から吹いてくる風や、ふもとの高原からあがってくる
様々な音を聴いているうちに、こんな立派な耳が出来たのかもしれません。
森に住む生き物は、この大きな耳を頼りにしている気がします。
長雨の季節がどれくらい近いのか、毎年訪れる夏鳥たちはどのくらいやってきたか…いろいろ知っていそうなのです。
どうか、末永く健在でおられますように。